非言語表現と言語表現そして数学

高校生から質問を受けることとして、「なんで数学の文章ってこんなに難しく書くのですか?」というものがある。この質問は多くの人が思っていることだろう。答えは簡単だ。

どんな人が解釈しても同じ物事を指すことができるようにするためだ。

なぜ、同じ解釈が重要視されるのか?

その答えは「表現」を「非言語表現」と「言語表現」の二つに分けて解釈すると少し見えてくるのではないかと考えている。

表現とは、意思伝達を行うためのものである。ある人がある人へと物事を伝えたい時、それは発生する。伝達手段は五感を用いることが多い。

「非言語表現」とは、言葉を使わない表現方法である。一般に芸術と呼ばれるものを指している。スキンシップなどもこの類かもしれない。

「言語表現」とは、主に言語を用いた表現を指す。文字として書かれたり、発話されたりするものを指す。

(本当は手話などについても言及したかったが趣旨とずれるので割愛する)

「非言語表現」から見て、「言語表現」の特徴とは何だろうか?

解釈が比較的個人に寄らないということに特徴がある。

しかし、言葉だけで表現するのは非常に難しい。思ったより、人の意思疎通は言葉以外に頼っているものである。

その言語表現を支えているのが数学である。

「数学的表現を使うことで、解釈が個人に寄らない意思疎通が可能になる」例を挙げることで主張を補完しよう。

最も伝わりやすい例は、オートマトンの例だと思う。(図1)

この画像を見ていただき少し頭を使うとわかると思うが、これがオートマトンである。

ここでは深く言及しないが数学的に記述する方法が存在して、M=(Q,Σ,δ,q0,F)のような簡単な形で表現することができる。

A君がBさんにこの図を伝えたい時どう表現するだろうか?言葉でしか伝えてはならない時、どう伝えるのか?

「左に丸があって、矢印が左から右に出ていて、、あー、そんな感じ、かもしれない、、、(以下略)」

これで伝わるだろうか?

数学の伝え方はこうだ。

(図2)

A君とB君がルールを知っていれば、上記文字列(図2)を送りつけるだけで、(図1)を復元することができる。

絵で描いたものに対して、正確な定義(ルール)を与えることで、A君からB君にその絵の内容が伝わるようになる。こういう発想法の元、数学(ルール)というのは生成される。

「言語表現」の強みを作り上げる根幹となることができる、これが数学的表現の重要性である。

最近は、言語表現と非言語表現の延長として、

「絵として表されるものを言語表現すること」、

「言語表現を絵として表すこと」に興味がある。

その例として、グラフ理論とグランドレコーディングについて近々資料をあげようと思うので、ぜひ見て欲しい

02/08/19

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