なぜ理学部情報科学科を選んだのか

東大には二年生の夏に進路を選択する「進学選択」というシステムがあります。私は、たくさんある学科の中から理学部情報科学科(以下、理情)を選びました。

友人や先輩にはよく、「え?理学部に行ったの?」と言われます。そうです、理学部に進学しました。理情にした理由をこれから述べていきます。

まず、「Computer Science」の基礎知識を身につけたかったという知的欲求です。「日頃お世話になっているコンピュータの中身を全く知らないし、このままいくと知る機会もないだろう。数学の応用と聞いていて、面白そうだし、大学で学ぶか」、という気持ちです。

とは言っても、情報学という分野はとても定義が広いので、学べるところは東大にたくさんあります。「計数工学科」、「電子情報学科」などもその例です。その中でも理情を選んだのは、専門性を身につけたいという思いからです。前述したように、そもそも、大学入学当初、大学に求めていたのは、「専門的な知識をベースとした軸を持ってその軸でいろんな問題にあたっていく力」でした。その「専門性」という観点からいくと、「計数工学科」や「電子情報学科」は理情に比べて魅力的ではありませんでした。(情報学以外を学ぶ良さもあるので学科の優劣の話ではない)

また、「情報学」の未来に希望を見たという点もあります。InternetやAIをはじめとする、世界を大きく変えるようなコンテンツがこの分野から生み出されています。他分野でもそのようなものは、原子物理をはじめとしてたくさんありますが、Internetのような世界の半数が使うという使用人数の観点からの影響力に惹かれました。将来的には、この分野の長所を活かして、現在起きている社会問題の解決の一助となるような、仕事ができればという思いがあります。

以上の理由から、理情に進学しました。

進学選択に関しては賛否両論ありますが、私個人としてはとてもありがたかったです。教養学部の一年半で、高校生の時にはあまり見えていなかった、「学問の社会的位置付け」、「大学と産業との関わり」、「国の動き」、「社会で今問題とされていること」などを少なからず見ることができました。それを見た上で、湧いてきた疑問を解決するために自分の好きなことを学び、その上で自分の好きな分野に進むことのできるシステムは私にとってBestな環境でした。感謝しています。

後の二年半の大学生活で、力をつけられるよう、精進していきたいと思っています。

2018年12月4日

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